奈良県北東部にある室生。太古の外輪山に囲まれ、精進峰を主峰とする山並みからは渓流が室生川へとそそぎ、古来、水の神がおわします祈雨の聖地として崇められてきました。その地に建つ室生寺は、四季に彩られ今も昔も人々を魅了してやみません。
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天武天皇の勅願により、修験道の祖である役(えん)の行者・小角(おづぬ)がこの地に初めて寺を建立したと伝えられています。奈良時代末に至り、後に桓武天皇となられた山部親王の延寿祈祷をきっかけに、興福寺の高僧・賢璟(けんけい)が勅命を受け、平安遷都まもなく弟子の修圓が堂塔伽藍を建立しました。後に空海の弟子で修圓とも親交の深い真泰が真言密教を携えて入山し、灌頂堂や御影堂等が整えられました。
春には桜、晩春には石楠花、初夏には青もみじ、秋には紅葉が平安初期の美しい伽藍を彩り、古と変わらぬ室生寺ならではの景観が広がります。
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